出てていくお金を減らそう
収入が不安定になりがちなフリーランスですが、工夫次第で出ていくお金を減らす余地はたくさんあります。入ってくるお金を増やす努力をすると同時に、節税や経費節減によって実収入を増やしましょう!その第一歩が65万円の所得控除が受けられる青色申告です。どのくらい節税できるか、こちらでシミュレーションできます。
青色申告は思っているより簡単
翻訳業は仕入れもなく買掛金も在庫もありませんし、外注せずに一人で仕事をしている場合や専従者を使わない場合は特に記帳が簡単にすみます。またパソコンも安価になり、面倒な減価償却が必要となる物品もほとんどありません(あったとしても会計ソフトがすべて計算してくれます)。
今年度から青色申告にしたい場合、3月15日までに現住所の管轄税務署に開業届(「個人事業の開廃業等届出書」)を提出しておかなければなりませんでした。提出していない場合は来年度からになります。来年忘れないよう今のうちに出しておくのもよいでしょう。
開業届の出し方はこちらに詳しく載っています。
期限までに開業届を提出すると、たいてい管轄税務署から案内があり、税理士等による記帳指導や会計ソフトを利用した記帳指導などが受けられます。私の場合は5月頃に税務署で説明会があり、そこで概要のレクチャーを受けました。さらに税理士や青色申告会などを希望に合わせて紹介され、最初の申告まで1年間無料でサポートを受けました。
記帳指導が始まるまでにやっておくべきこと
まずは事業用の通帳を決めるか、事業専用の口座を新たに開いておきましょう。
何かあったとき税務署が知りたいのは事業者のお金の流れです。いくらお金が入ってきていくら出て行き、いくら残っているのかを明確にするのが記帳の主要目的です。けれどもそれに事業主個人のお金の流れは関係ありません。
本来なら帳簿に記載する必要のない個人のお金が事業用の通帳から出入りすると、それも記帳しなければならず、余計な手間になります。
通帳の入出金を整理
大切なのは、事業用の口座に「事業に関係のあるお金だけが出入りする」ようにしておくことです。
個人のお金の出入りはすべて別の通帳に移しましょう。
客先からの入金は事業用通帳にまとめます。海外の顧客から外貨で支払われる場合は通帳が別になりますが、入金日のレートで事業用通帳に入金するなどして1つにまとめられます。
出金も同じです。家賃や光熱費は案分して経費になるので可能であれば事業用から引き落とすようにします。勉強のためのセミナーの会費など、仕事に関係する振込はこの通帳から支払うようにします。
市民県民税や国民健康保険、国民年金、国民年金基金、確定拠出年金、小規模企業共済などの支払いは、事業用の通帳から外しましょう。これらは事業主個人のお金の出入りであって、事業には関係ないからです。これらを除いておくだけでも、記帳の手間が相当はぶけます。
白色申告の方も、今から通帳をシンプルにしておくと青色に切り換えたときに楽ですよ。
5月16日追記: 法人化されている翻訳者さんから、通帳に私的なお金の出入りがあると、税理士さんにも見せることになるので、プライバシーという点からも分けた方がよいというご意見もいただきました。また、個人事業主で屋号入りの通帳を持っているという方もおられました。
翻訳者のための青色申告(6) – 申告後の書類保管と次年度の作業