2019年春のドイツ映画

日本で公開されるドイツ映画、今年はすごいことになっています!

1月

12日公開の「未来を乗り換えた男」。

祖国を離れ、他人の人生を手に入れた男。
退路も進路もない逃避行に、終着点はあるのか―――
「東ベルリンから来た女」で知られるドイツの名匠クリスティアン・ペッツォルト監督が、ファシズムの風が吹き荒れたナチスによる史実と現代の難民問題を重ね合わせ、祖国を追われた人々が希望を求めてさまよう姿をサスペンスフルに描いたドラマ。原作は、1930~40年代にかけて、ナチス政権下のドイツから亡命した小説家アンナ・セーガースによる「トランジット」。(ヒューマントラストシネマ有楽町のサイトより引用)

2月

8日から公開の「ちいさな独裁者」。

《内容》丈の長い軍服、借り物の権力。
ドイツ敗戦まで1か月。偶然に軍服を拾った若き脱走兵は、ナチス将校の威光をも手に入れた。
ハリウッド映画『RED/レッド』などのヒット作で知られるロベルト・シュヴェンケ監督が母国ドイツで撮り上げた本作は、ドイツ敗戦直前の混乱期に起こった信じがたい実話の映画化。偶然にもナチス将校の軍服を手に入れた名もなき一兵卒が、瞬く間にヒトラーをも想起させる怪物的な”独裁者”に変貌を遂げていく姿を描き出す。(テアトルシネマグループサイトより引用

3月

ゲーテ・インスティトゥート東京が主催し、8日〜15日にユーロスペース(渋谷)で開催されるドイツ映画祭 HORIZONTE 2019

《内容》 HORIZONTE(ホリゾンテ=地平線)への視線は、遠く、未来を、新しく何かが生れる場所を見つめます。この HORIZONTE という名を冠した映画祭は、ダイナミックに変動する新世代のドイツ映画界から厳選した作品を紹介。

HORIZONTE では、映画賞の受賞などを通じて高く評価されている作品や、社会・政治の現在を映し出すドキュメンタリー作品を上映するだけでなく、観客や俳優を招待し、その生の声を観客に届けます。ゲーテ・インスティトゥート東京によるHORIZONTE 2019 は、German Films とユーロスペース(渋谷)の協力の下、実現することができました。
上映ライナップは以下、8本の劇映画と2本のドキュメンタリー映画です。
『ロミー・シュナイダー〜その光と影〜』(オープニング作品、エミリ・アテフ監督によるQ&Aあり)、『父から息子へ〜戦火の国より〜』、『僕たちは希望という名の列車に乗った』(ラース・クラウメ監督によるQ&Aあり)、『未来を乗り換えた男』(主演俳優フランツ・ロゴフスキによるQ&Aあり)、『キャスティング』、『プチ・ブルの犬』、『希望の灯り』(トーマス・ステューバー監督によるQ&Aあり)、『明日吹く風』、『マニフェスト』、『ソーシャルメディアの“掃除屋”たち』
(ゲーテ・インスティトゥート東京のサイトから引用。プログラムはこちらです)

4月

ドイツ映画祭で上映される映画『希望の灯り』がBunkamura30周年記念でロードショーされます(4/5(金)より)。

《内容》 東ドイツの巨大スーパーで働く人たち、そのつましい世界のぬくもり
アウトバーン沿いのライプツィヒ近郊。ここで働く者たちは、ベルリンの壁崩壊、東西再統一によって祖国を喪失した。その悲しみを静かに受けとめ、つましく生きている。いま目の前にある小さな幸せに喜びを見出すことで日々の生活にそっと灯りをともす。そんな彼らの生きる姿勢が、深い共感と感動を呼びおこし、静かな波のざわめきのように深い余韻を残す。(Bunkamuraル・シネマのサイトから引用)

もう1つ、19日から公開の「ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ

《内容》 1933年から45年にかけて、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明と言われる。なぜ、ナチス・ドイツは、いやヒトラーは、美術品略奪に執着したのか? 本作は欧米で活躍する歴史家、美術研究家を始め、略奪された美術品の相続人や奪還運動に携わる関係者の証言を元に、ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品が辿った闇の美術史に迫る。
ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ムンク、モネ…今なお行方不明の名画たち。ナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の運命に迫る名画ミステリー。(配給会社、クロックワークスのサイトから引用)

まだサイトには未掲載ですが、ヒューマントラストシネマ有楽町等で公開されるようです。字幕監修は「怖い絵」シリーズで有名な中野京子さんとのことです。

5月

やはりドイツ映画祭で上映される映画『僕たちは希望という名の列車に乗った』がこちらもBunkamura30周年記念でロードショーされます(5/17(金)より)。

《内容》 すべては、たった2分間の黙祷から始まった──
なぜ18歳の若者たちは国家を敵に回してしまったのか?
東西冷戦下の東ドイツで起こった衝撃と感動の実話

1956年、東ドイツの高校に通うテオとクルトが、列車に乗って訪れた西ベルリンの映画館で、ハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を目の当たりにする。クラスの中心的な存在であるふたりは、級友たちに呼びかけて授業中に2分間の黙祷を実行した。それは自由を求めるハンガリー市民に共感した彼らの純粋な哀悼だったが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは“社会主義国家への反逆”と見なされる行為だった。やがて当局が調査に乗り出し、人民教育相から直々に一週間以内に首謀者を告げるよう宣告された生徒たちは、人生そのものに関わる重大な選択を迫られる。大切な仲間を密告してエリートへの階段を上がるのか、それとも信念を貫いて大学進学を諦め、労働者として生きる道を選ぶのか……。(Bunkamuraル・シネマのサイトから引用)

以上です。これほど一気に公開されるのはめったにないことではないでしょうか。旧東ドイツの話や、東西横断作家が原作の作品があるのでとっても楽しみなのですが、その他個人的にもう1つ気になっているのはドイツ映画祭で上映されるドキュメンタリー『ロミー・シュナイダー ~その光と影~』。ずっと以前に『ロミー・シュナイダー事件 』という本を読んで、その悲劇の生涯が折に触れ思い出されたので。

Comments

comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。