2017年は読書の年に

今年は勉強会やセミナーの主催/参加が多く、仕事もそれなりに大変で、家には受験生を抱え、体力の衰えを感じつつ突っ走ってきた1年だったように思います。

来年は4年計16回続いたコツコツ女子部を会場の都合で1年間休部します。また受験生も4月にはなんとかどこかにひっかかって大学生になっているでしょう(切に希望)。

そうなったら、ちょっと自分を見つめ直し、来年の抱負としては読書の1年にしたいなと思っています。なにより、心の声が「文学を読みたい」と言っているのです。計画的に時間を作って読み進めようと決めました。

日本文学を学んだくせに最近の小説はあまり読んでいませんし、外国文学は好きなものだけ気ままに読んできたので、欧米文学もすきだらけ、アジアや南米など欧米以外の文学も手つかずです。あれこれ手をつけてみて、なんの教養もない自分に驚愕し、あせってNHKのテキストなどを読み始めました。新しいものだけでなく、ブロンテ姉妹やドン・キホーテなども、じっくり読んでみたいと思います。

もちろんドイツ文学も。なんだかんだで原書が積ん読になっています。

年末には「今年の本」が新聞や雑誌に掲載されますが、こちらで紹介されている小説はどれもおもしろそうで、選ぶのに難儀しました。この中からも何冊か選んで読みたいと思います。

海外小説ベスト12

日本小説ベスト12 

このブログも来年3月で丸2年になります。無理のない範囲で更新も増やしていきます。読んでくださった皆さま、ありがとうございました。よいお年をお迎えくださいね。

翻訳者のための青色申告(9) – 確定申告書とマイナンバー

年明けの確定申告に向けて、記帳もそろそろ終わり、申告のシュミレーションを行っておられる頃かと思います。経費がもう少し多くても大丈夫と思ったら何か購入しておくのも今のうちです。

【追記】結論から書きますと、eTaxでないならマイナンバーが申告書に記載されていなくても税務署は受領する。

平成28年度分から確定申告書にマイナンバーの記載が必要

社会保障・税番号(マイナンバー)制度の導入により平成28年分以降の確定申告書等の提出の際には、「マイナンバーの記載」 + 「本人確認書類の提示又は写しの添付」が必要です。

 国税庁のお知らせサイト

さらに、専従者や扶養家族のマイナンバーも記入が必要とのことです。

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『翻訳者の目線』2016

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日本翻訳者協会が2012年から「世界翻訳の日」に発行しているアンソロジー『翻訳者の目線』。もちろん私も寄稿しています。記念すべき5年目の冊子は、寄稿の呼びかけがあまりなかったためか、薄くなってしまったのが残念です。

今年のアンソロジーには、他の翻訳者や通訳者がどのように問題に対処し、解決策を見出しているか、未だ対策を練っている課題についてなど、実務に役立つ文章が集められました。

私は、やはり今回も趣を変えて、勉強会で読んだ若松賤子の名訳『小公子』、翻訳としての円地文子現代語訳『源氏物語』について書きました。

こちらからダウンロードできます。自分の文章のみ、こちらに掲載しました。

『翻訳者の目線』2016

明治の翻訳

ある翻訳勉強会で若松賤子訳の『小公子』(Little Lord Fauntleroy)を読んだ。リズミカルな会話と物語の意外な展開にどんどん引き込まれていく。村岡花子ほか戦後の主だった既訳を読み比べ、自分たちも一部翻訳してみて、あらためて若松はうまいなあ、と感心した。単に名訳というのではない、なんだろう、持って生まれた語りの力、次から次へとよどみなくつながる会話。しかも当時はまだかぎ括弧が使われず、会話の始まりが改行されているだけ。それでも、だれの台詞か迷うことはない。語りかと思えば台詞、台詞かと思えば心の声が地続きで聞こえてくる生き生きとした言文一致体。しかも若い女性の書いた明治の日本語に、私は感心するばかりだった。

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