「ダブルス・トーク – 現代文学の紹介」第4夜

「ダブルス・トーク – 現代文学の紹介」第4夜は、ドイツ語から日本語に翻訳された絵本にフォーカスが当てられました。お話は松永美穂さんと関口裕昭さん。(ご経歴、著訳書詳細はこちらから) お二人ともが訳されている作家ということで、ゼバスティアン・メッシェンモーザーとカトリーン・シェーラーの作品をご紹介くださいました。

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松永美穂・酒寄進一「ダブルス・トーク」第3夜

虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑:井口撮影

「作家ウ-ヴェ・ティムとクラウス・コルドン – 自身の家族史を語る」と題しての対談。3回目ともなると、お二人ともすっかりうち解けられた様子で、対談を心から楽しんでおられるのがこちらにも伝わってきました。いつも以上に内容が多岐にわたり、興味深くうかがったお話でしたが、悲しいかな非才の身、お話のわくわく感をお伝えするのがむつかしく、メモに毛が生えた程度の棒読み調の文章になってしまいました。お許しくださいね。ウ-ヴェ・ティムとクラウス・コルドンは同年代で多作、児童文学もたくさん書いていて、今回取り上げられる作品はどちらも自伝的な小説です。

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GOETHE INSTITUTオンラインライブラリ

ゲーテ・インスティトゥートでは、東アジアに在住している人なら誰でも利用できるオンライン図書館を運営しています。

私はもう2年以上前に登録したのですが、あまり活用していませんでした。1年おきの継続手続のついでにiPadに専用アプリ(Onleihe)を入れてみたところ、これがとっても便利!PCで借りて、iPadで読んでいます。

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ディストピアの地平 – クッツェー『イエスの幼子時代』

2016-10-25-16-56-32

 

クッツェー。名前は知っていた。ノーベル賞受賞(2003年)も知っていた。1940年南アフリカのケープタウン生まれ?アフリカーナー?(アフリカ南部に居住する白人のうち、ケープ植民地を形成したオランダ系移民を主体に、宗教的自由を求めてヨーロッパからアフリカに入植した人々が合流して形成された民族集団)。未知の世界だ。1961年に英国に渡り、1965年に渡米、VISA取得がかなわず、1971年に南アフリカに帰国、2002年、オーストラリアのアデレードに移住、2006年にオーストラリアの市民権を取得!4大陸を漂浪した作家に俄然興味が湧き、邦訳最新作『イエスの幼子(おさなご)時代』(J・M・クッツェー著、鴻巣友季子訳/早川書房)を読んでみた。

過去を捨てノビージャという架空の国に、縁あって二人で逃げてきた初老の男シモンと孤児ダビード。新しい名前を与えられ、新しい人生を始める。公用語はスペイン語だが、シモンもダビードも(過去に何語を話していたかはわからないが)スペイン語を流ちょうに話し、言葉による齟齬(そご)はない。仕事も住居もあてがいぶちながら、普通の暮らしを二人は手に入れる。

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春の映画特集、集めました!

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この春、普段は映画館では見られない古い映画や珍しい映画がたくさん上映されます。自分でもどれに行こうか迷っていたので、ついでにまとめてみました。

ヴィスコンティと美しき男たち~アラン・ドロンとヘルムート・バーガー

会場:YEBISU GARDEN CINEMA

期間:5月14日(土)~6月10日(金)

プログラム

イタリアが生んだ巨匠ルキーノ・ヴィスコンティ監督。その生誕110年&没後40年を記念した、映像の世界遺産ルキーノ・ヴィスコンティ後期の代表作2本、『山猫』と『ルートヴィヒ』。デジタルリマスター版

検証日本映画Vol. 16 成瀬巳喜男 静かなる、永遠の輝き

会場:池袋・新文芸坐 

期間5/16(月)~6/2(木)※5/27~29は別番組 

プログラム(チラシPDFのダウンロード)

時にじりじりと自らの生を燃やし、時に諦念の淵に人生の影を見る女たち、市井の人々の生活に寄り添い、人の心の綾を静謐なまなざしで紡ぎ、人生の哀歓を繊細で緻密な演出で織りなす、名称・成瀬巳喜男の世界

私は幸田文原作の『流れる』と林芙美子原作の『浮雲』が観たいなあ。

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本屋さんへ行こう!シリーズ2「ひと月限りの<ぽえむ・ぱろうる>(リブロ池袋本店)」

 

今年3月初め、リブロ池袋本店が閉店するというニュースは私たち翻訳者仲間を驚かせました。本店に思い出のある方も多く、惜しむ声をあちこちで聞きました。私も学生時代に通った本屋さんなので閉店までに一度は、と思っていたところ、Twitterで「ひと月限りの<ぽえむ・ぱろうる>」(6月1日~リブロ閉店まで)という企画があることを知り、さっそく訪ねてみました。 

リブロと思潮社のタッグ

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1975年~2006年まで西武ブックセンター/リブロの一角にあった「ぽえむ・ぱろうる」は、実は「現代詩手帖」を出している思潮社が出店していたのだそうです。私も80年代によく通いましたがとっくに絶版になっているはずの詩集が並んでいた理由が今になってわかりました。今回もリブロからの提案で協力されています(思潮社HP)。私がお話をうかがっている時も思潮社の方が補充用の本を持ってこられていました。 

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勉強会の会場、日比谷図書文化館と日比谷公園

来週日比谷図書文化館で勉強会(翻訳勉強会十人十色主催の日英ワークショップ)を開催するので、会場費を支払いに日比谷公園へ行ってきました。

日比谷図書文化館

私たちのように翻訳者が自主的に集まって勉強会やセミナーを行う場合、会場が悩みの種です。Wi-Fiが使えてコンセントもたくさんある貸し会議室はたくさんありますがその分料金は高くなり、4時間借りると2万円を超えます。そこで数千円で借りられる公共施設を探すことになります。埼玉や千葉、神奈川の方にも便利なように都内で借りようとすると、区民か、勤務先や学校が区内にある人でないと借りられない施設が多いのです。

例外はいくつかあり、日比谷図書文化館(旧都立日比谷図書館)の会議室やホールは図書の貸し出しカードを作ればインターネットで予約して誰でも借りることができます。他に品川区のきゅりあん文京区のアカデミー文京などの区民施設は、区民優先ですが登録すれば区民の抽選後に予約の入っていない部屋を借りることができます。

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本屋さんへ行こう!シリーズ番外編-「代官山蔦屋書店映画フロア」

「ない映画がない」映像フロア

本屋巡りと同じく、最近は映画館にもレンタルビデオ屋さんにもろくに足を運んでいない私。代官山蔦屋書店映像フロアに足を踏み入れたとたん、ヨーロッパ映画に耽溺していた20代の自分に戻っていました。

ヌーベルバーグ

ヌーベルバーグのコーナーにジャン・リュック・ゴダールの『アルファヴィル』やフランソワ・トリュフォーの『華氏451』を発見。『いとこ同士』のクロード・シャブロルやジャック・リヴェットも並んでいました。(エリック・ロメールはあったかどうか覚えていませんがきっとあるはず)。一緒に古書も並べられているのがユニーク。

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本屋さんへ行こう!シリーズ1「代官山蔦屋書店」

Amazon一人勝ちで街から本屋さんがどんどんなくなっていると、出版業界では危機感がつのっています。けれどもすぐに効果の出る処方箋はそう簡単に見つかりません。私も以前は東京の書店を渉猟していたのに(もっと昔、高校生の頃なんか、リュックしょって大阪の紀伊國屋まで本を買いに行っていたのに)、ここ数年は座職で家にこもっているせいで明らかにAmazon依存症。ところが最近なぜだろう、本屋さんに行きたい!という気持ちがむくむくと湧いてきたのです。そこで、せっかくだからいろんな本屋さんを巡ってブログにアップしよう!と思い立ち、「本屋さんへ行こう!シリーズ」を始めてみました。

企画力とくつろげる空間 

 

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蔦屋代官山と言えば、イベントをどんどん企画して人を集め、カフェやコンビニも併設、ゆったりした空間を演出して滞在時間が長くなるよう工夫していることで知られていますよね。平日なのに人が多くて店内の様子は撮れませんでしたが、こちらの蔦屋さんのHPの雰囲気そのまま、ぶ厚い木板を贅沢に使った書棚と照明を落とした落ち着いた雰囲気が気に入りました。

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