翻訳者のための青色申告(9) – 確定申告書とマイナンバー

年明けの確定申告に向けて、記帳もそろそろ終わり、申告のシュミレーションを行っておられる頃かと思います。経費がもう少し多くても大丈夫と思ったら何か購入しておくのも今のうちです。

【追記】結論から書きますと、eTaxでないならマイナンバーが申告書に記載されていなくても税務署は受領する。

平成28年度分から確定申告書にマイナンバーの記載が必要

社会保障・税番号(マイナンバー)制度の導入により平成28年分以降の確定申告書等の提出の際には、「マイナンバーの記載」 + 「本人確認書類の提示又は写しの添付」が必要です。

 国税庁のお知らせサイト

さらに、専従者や扶養家族のマイナンバーも記入が必要とのことです。

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『翻訳者の目線』2016

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日本翻訳者協会が2012年から「世界翻訳の日」に発行しているアンソロジー『翻訳者の目線』。もちろん私も寄稿しています。記念すべき5年目の冊子は、寄稿の呼びかけがあまりなかったためか、薄くなってしまったのが残念です。

今年のアンソロジーには、他の翻訳者や通訳者がどのように問題に対処し、解決策を見出しているか、未だ対策を練っている課題についてなど、実務に役立つ文章が集められました。

私は、やはり今回も趣を変えて、勉強会で読んだ若松賤子の名訳『小公子』、翻訳としての円地文子現代語訳『源氏物語』について書きました。

こちらからダウンロードできます。自分の文章のみ、こちらに掲載しました。

『翻訳者の目線』2016

明治の翻訳

ある翻訳勉強会で若松賤子訳の『小公子』(Little Lord Fauntleroy)を読んだ。リズミカルな会話と物語の意外な展開にどんどん引き込まれていく。村岡花子ほか戦後の主だった既訳を読み比べ、自分たちも一部翻訳してみて、あらためて若松はうまいなあ、と感心した。単に名訳というのではない、なんだろう、持って生まれた語りの力、次から次へとよどみなくつながる会話。しかも当時はまだかぎ括弧が使われず、会話の始まりが改行されているだけ。それでも、だれの台詞か迷うことはない。語りかと思えば台詞、台詞かと思えば心の声が地続きで聞こえてくる生き生きとした言文一致体。しかも若い女性の書いた明治の日本語に、私は感心するばかりだった。

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翻訳祭、セッションと対談で登壇します

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日本翻訳連盟主催のJTF翻訳祭ですが、今年で26回を数えます(11月29日(火))。私は第6回から(多分)参加しています。今まで何度か登壇しましたが、今年は翻訳勉強会十人十色のパネルディスカッションと、翻訳家でライターの実川元子さんとの対談の2コマで登壇することになりました。 

パネルディスカッション:使われないツールの使い方 ― 十人十色のツール論 

実務翻訳者は翻訳時にさまざまなツールを使用していますが、特にネガティブに語られがちな翻訳支援ツール(CATツール)について、翻訳者が4人集まって議論します。

4人とも翻訳支援ツールを10年~20年使用しているベテランで、これほどの熟練者が4人も集まることはそうないと思われます。分野によりツール指定のお仕事が避けられない現状も見つめ、何が問題なのか、どうやったらツールに使われず、高品質の翻訳を提供できるのか、4人のノウハウも含めとことん話し合いたいと思っています。またこの機会にツールベンダーや翻訳会社への提案もできたらと思っています。 

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Just Right!の使い方

 

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先月Just Right!6Pro が発売されました。私もすぐに購入したのですが、忙しくてインストールがまだです。何がどう進化したのかまだわからないのですが、WordやPowerPointへのアドインなど、Just Right!5Pro でもできた機能を知らないという方も多いようでしたので、まずJust Right!5Proで説明します。

 Word、Excel、Outlook、PowerPointにアドインを設定

Just Right!では他のアプリケーションの文章を読み込んで、校正し、その修正を書き戻すことができます。Word、Excel、Outlook、PowerPoint、Internet Explorerで可能です。

通常、Just Right!5 をインストールするとアドインも設定されるはずですが、もし設定ができなかった場合は手動で設定できます。 

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ディストピアの地平 – クッツェー『イエスの幼子時代』

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クッツェー。名前は知っていた。ノーベル賞受賞(2003年)も知っていた。1940年南アフリカのケープタウン生まれ?アフリカーナー?(アフリカ南部に居住する白人のうち、ケープ植民地を形成したオランダ系移民を主体に、宗教的自由を求めてヨーロッパからアフリカに入植した人々が合流して形成された民族集団)。未知の世界だ。1961年に英国に渡り、1965年に渡米、VISA取得がかなわず、1971年に南アフリカに帰国、2002年、オーストラリアのアデレードに移住、2006年にオーストラリアの市民権を取得!4大陸を漂浪した作家に俄然興味が湧き、邦訳最新作『イエスの幼子(おさなご)時代』(J・M・クッツェー著、鴻巣友季子訳/早川書房)を読んでみた。

過去を捨てノビージャという架空の国に、縁あって二人で逃げてきた初老の男シモンと孤児ダビード。新しい名前を与えられ、新しい人生を始める。公用語はスペイン語だが、シモンもダビードも(過去に何語を話していたかはわからないが)スペイン語を流ちょうに話し、言葉による齟齬(そご)はない。仕事も住居もあてがいぶちながら、普通の暮らしを二人は手に入れる。

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翻訳者のための青色申告(8) – マイナンバーの提供について

2012-09-24 13.09.51

個人事業主として翻訳のお仕事を受けていると毎月支払を受ける際に所得税が源泉徴収されます。今年度から、会社が税務署に法定調書を提出する際にマイナンバーの記載が必要になりました。(ただし翻訳者宛の支払調書には記載されません)。 

個人のセキュリティの観点から提供を断る方も多いかと思います。拒否する旨書類を提出し、その書類を相手の会社で保管されていれば、法的には問題はありません。

届けるか届けないかは個人の自由です。そういう裁量が個人に与えられていることはありがたいなと思います。

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翻訳者のための青色申告(7) – 翻訳者(文筆業)が入れる国民健康保険組合

2012-07-02 13.07.15

 

平均的な収入の翻訳者にとって税金のうち最も負担が大きいのは「国民健康保険税」でしょう。「申告所得額(各種控除前)」に基づいて計算されるので、節税対策の効果があまり及ばないからです。

そこで、翻訳者が入れそうな国民健康保険組合を調べてみました。たいていの場合地方自治体の国民健康保険より保険税は安くなるようです。ホームページの画面に申告所得額を入れてシミュレーションできる組合もあります。

見つけた組合は4つ(東京芸能人国民健康保険組合、大阪文化芸能国民健康保険組合、京都芸術家国民健康保険組合、文芸美術国民健康保険組合)ですが、加入は指定の職業についているか、指定の所属団体に属している個人事業主であることが条件となっています(法人事業所の事業主及び従業員は加入できません)。

また認可地域(住民票の住所)にも制限があります。残念ながら全国を網羅しているものは1つだけで、あとは首都圏と関西圏が主です。

本人だけでなく家族も加入できますが、世帯全員の加入が必要な組合もあります。また、組合員の推薦人が必須の組合もあります。

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涼しげに暮らす

暑い夏がまたやってきました。

家で仕事をしていると、気分がふさいでくることがあります。時々テーブルの上に飾り付けして涼しさを演出し、楽しく暮らす工夫をしています。大切にしているちょっと高価なものもありますが、100均で気に入った形の花びんやキャンドルホルダーも大活躍です。

夏の夜空をイメージ

紺地に銀粉を散らしたようなスカーフで、天の川を描いてみました。子供が小さかった頃の思い出がつまった貝殻を置いて。

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「翻訳書の編集者の視点」 翻訳勉強会「十人十色」 セミナーのお知らせ

 

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翻訳勉強会「十人十色」はFacebook上の翻訳者グループで、翻訳者同士の情報交換を行ったり、勉強会やセミナーを開催したりしています。実務翻訳者はもちろん、映像、出版(フィクション、ノンフィクション)、多言語の翻訳者が、国内だけでなく海外からも参加していまです。

このたび初めての試みとして、出版翻訳(文芸)のセミナーを開催することになりました。

「翻訳書の編集者の視点」

~担当翻訳書100冊超の編集者が語る出版翻訳の世界~

講師はフリーランスの編集者、鹿児島 有里さんです。

【講演概要】

出版社所属の編集者として、フリーランスの編集者として、さまざまなジャンルの翻訳書を作ってきた経験をお話しします。編集者が求める訳文、翻訳者とは? そのために、編集者がすることは? コンテンポラリーな新作と古典の新訳では、やることは違う?

ベテラン翻訳者から学んだことはもちろんたくさんありますが、新人翻訳者から学んだこともあります。編集者としての私は翻訳者のみなさんに育てていただきました。自分が得たことを他の翻訳者の方々にもお伝えできればと思っています。

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