本屋さんへ行こう!シリーズ1「代官山蔦屋書店」

Amazon一人勝ちで街から本屋さんがどんどんなくなっていると、出版業界では危機感がつのっています。けれどもすぐに効果の出る処方箋はそう簡単に見つかりません。私も以前は東京の書店を渉猟していたのに(もっと昔、高校生の頃なんか、リュックしょって大阪の紀伊國屋まで本を買いに行っていたのに)、ここ数年は座職で家にこもっているせいで明らかにAmazon依存症。ところが最近なぜだろう、本屋さんに行きたい!という気持ちがむくむくと湧いてきたのです。そこで、せっかくだからいろんな本屋さんを巡ってブログにアップしよう!と思い立ち、「本屋さんへ行こう!シリーズ」を始めてみました。

企画力とくつろげる空間 

 

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蔦屋代官山と言えば、イベントをどんどん企画して人を集め、カフェやコンビニも併設、ゆったりした空間を演出して滞在時間が長くなるよう工夫していることで知られていますよね。平日なのに人が多くて店内の様子は撮れませんでしたが、こちらの蔦屋さんのHPの雰囲気そのまま、ぶ厚い木板を贅沢に使った書棚と照明を落とした落ち着いた雰囲気が気に入りました。

今月のイベントの1つ、17日に開催される鴻巣友季子さんの新訳「風と共に去りぬ」の出版記念イベントもポップで宣伝されていました(ちなみにこのイベントには私も友人と行きます)。

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お天気はあまりよくありませんでしたが代官山のおしゃれな雰囲気とマッチしたテラスも快適そう。この写真は一瞬人が途切れて撮れたのですが、行き交う人が多く、アジア系の観光客も目立ちました。

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本のセレクトショップ

私がこの書店のリピーターになると感じる1番の理由は、テーマを絞り込み、特定分野の書籍を最大限に充実させていることでした。蔦屋曰く「メジャーからリトルプレスまで、世界の最新情報が詰まった雑誌を並べた都内最大級の『マガジンストリート』。そして『人文・文学』『アート』『建築』『クルマ』『料理』」。私の好きなテーマばかりじゃないですか!(クルマだけは仕事でウォッチング必須)。高価な本でも、趣味にお金をかける人には売れるということでしょう。

 

哲学のコーナーには大きめの本屋さんでもこの頃はなかなかお目にかかれないみすず書房や岩波書店の本もずらりと並んでいました。アリストテレス全集なんてのもありました。ピケティ本も英語版や関連本が1面をつかって見やすくディスプレイされていました。背の低い棚が多いので圧迫感がない窓際の明るい空間と、穴蔵のように本に取り囲まれた薄暗い空間が作ってあって探検気分になります。

 

文学コーナーはもちろん日本文学、外国文学共に充実のラインナップ。英語圏の本だけでなく他言語本も網羅されており、ドイツ文学にも棚一区画が使われています。こんな風景久しぶり!

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第一回日本翻訳大賞コーナー

こちらはもうすぐ中間報告会のある「第一回日本翻訳大賞」コーナー。選考委員5人の訳書と「私の隠れリスペクト」本(各人5冊)を公開したブックフェアだそうです。

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松永美穂さんはリスペクト本の1冊として『女が嘘をつくとき』リュドミラ・ウリツカヤ著(沼野恭子訳)を挙げておられ「今元気なロシア語文学(翻訳者たちも元気!)の中でもロシアの良心と呼ぶべき作家の軽妙ながら人生の真実を付く作品」と評されていました。前から読みたかった本なので、背中を押された気分です。

柴田元幸さんのリスペクト本の中にA.A.ミルン著、石井桃子訳の『くまのプーさん』が入っていて、「こればかりは、あまりのこの訳がいいので、自分で訳したいという気にならない」そうで、柴田さんがプーさんを訳したらどうなるのだろう?と思わず笑ってしまいました。

また岸本佐知子さんのリストには『ある家族の会話』ナタリア・ギンズブルグ著(須賀敦子訳)があり、「文章の一つひとつがきらめいていて、読み終わるのが辛くて涙が出ました」。とのこと。これを読んで、私ももう一度読み返したくなりました。

このコーナーの正面の窓際に椅子が並んでおり、何冊か読んでみては本を選ぶのにぴったりの場所でした。また来よう!今度はもっとゆっくり。

 追記:

本屋さんに行くと出版社や書店が出しているブックレットが手に入るのがうれしいですね。紀伊國屋書店のScripta、齊藤美奈子さんの「中古典ノススメ35」が「ニューアカブームがもたらした<知との戯れ>から浅田彰『構造と力』の巻」 というタイトルだったのでびっくりしました。帰り道、いま(当時チンプンカンプンだった)『構造と力』を読んだらどんな感想を自分は持つだろう、とふと思っていたところだったので。

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このあと2Fの映画のコーナーをのぞいたのですが、垂涎のDVDがずらり。長くなるので続きは本屋さんへ行こう!シリーズ番外編 -「代官山蔦屋書店映像フロア」で。

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